【天王寺・阿倍野】G20開催地大阪 あべのハルカスで手仕事の素晴らしさを知る。動乱をくぐり抜けた婚礼服から滅んでしまった巨大衣装まで。【民族衣装サミット】市田ひろみコレクションは7/1まで
G20大阪開催と連動して、あべのハルカス近鉄本店さんのウィング館9階、アート館では市田ひろみコレクション【世界民族衣装サミット】が開催中です。2019年7月1日まで。染めの色の鮮やかさ、緻密な刺繍や細かいプリーツなど、どの衣装にも後世に伝えたい美しさを感じます。
随時ギャラリートークも開催され、貴重なコレクションとともに服飾評論家の市田ひろみさんの生の声を聞くことも。 6月27日に市田ひろみさんに直接お話を聞くことができたので少し紹介させていただきます。たくさんあるコレクションの中から一番印象深いものはどれかという質問には「やっぱり白(婚礼衣装)。ハンガリーのですね」とお答えいただきました。
もう帰国しようとする日でしたが呼ばれてブダペストのある店へ。店主が見せたいものがあると言い、古びた箱を2階の奥から取り出してきた。埃だらけの箱を叩き、まず取り出したのがプリーツのエプロン。次に帽子(ヘッドドレス)。
そして婚礼服。丁寧に仕上げられた見事な絹の婚礼服のセットを目に興奮しながらも、しっかりと店主と交渉して購入し、ホテルの部屋へ。
そこで改めて箱を開けて、婚礼服を手にしたとき、誰も着た形跡がないことに気がついたそうです。細かいアコーディオンプリーツをカタチづくるためおさえる糸がついたままだったのです。スカートの後ろには今も糸がそのままに。
第一次、第二次世界大戦と動乱の時代に朽ちることなく美しさをとどめた婚礼服でしたが、一度も花嫁を飾ることはなく・・・。「それをこうして私が持ち帰り、日本で日の目を見ることになりました。」と感慨深げに語られました。
市田ひろみさんが世界中を旅して収集した民族衣装は400セットを超えるそうですが、今回はその中から厳選した30カ国の日常着や婚礼衣装など計51セットを展示。G20大阪に首脳会議に参加している国の民族衣装や、滅んでしまった民族の巨大な衣装なども選ばれています。
また、市田さんが現地へ足を運び撮影された写真や、お着物姿しか拝見したことがない市田さんの華やかな民族衣装を着こなす写真の展示も興味深いです。
刺繍や染色、ファッションに興味のある方、多様な世界の文化に関心のある方にはとくに、あまり関心のない方にもはるか遠い世界の文化、手仕事のよさにふれられるまたとない機会になりそうです。大阪には万博公園に民俗学博物館がありますが、市田ひろみさんの手仕事や服飾への熱いまなざしで収集された民族衣装コレクションには別の魅力がありそうですよ。
ハルカスやキューズモールで買い物や食事をされる方も多いのでは?少し足を運ぶと世界一周、民族衣装をたずねる旅ができてしまうかも。お出かけの参考にいかがでしょうか?
※市田ひろみさん、近鉄百貨店さん、取材にご協力ありがとうございました。
市田ひろみコレクション
【世界民族衣装サミット】世界の衣装をたずねて
あべのハルカス近鉄本店
ウィング館9階、アート館
2019年6月26~7月1日
時間 10-18時(最終日17時まで)
入場料:300円(高校生以下無料)
※各種カード保持で入場無料になる場合もあります。HPでご確認下さい。
場所はこちら↓
(りっちー)