【大阪市天王寺区・阿倍野区周辺】銭湯漫画のご聖地。古き良き「大和温泉」リニューアル前を取材!
JR寺田町駅から徒歩14分くらいのところに、古き良き銭湯文化を今に伝えるお風呂屋さん「大和温泉」があるのをご存知でしょうか?実はこちらの銭湯は大阪が舞台の銭湯漫画のご聖地としても知られています。じんわりと心温まる泉 紗紗さんのLINE漫画「ゆとのと」(単行本全4巻)のモデルとなったお風呂屋さんを取材させていただきました。
「大和温泉」の女将さん(泉 紗紗さんのおばあさま)はなんと83歳となった今も現役で14時から22時まで番台に! 笑顔がとてもチャーミングで、お話も楽しい女将さんに会うために銭湯に足を運ぶ常連さんもいらっしゃると思いました。
※リニューアルオープン後は14時~23時まで営業とのことです。番台から降りるとキビキビとよく動き、女将さんが入りやすい女風呂の鏡はまめに磨くので新品のようにピカピカ。
お嫁に来たときから63年間、お風呂屋一筋とのこと。前身となる「日之出湯」からスタートし、「大和温泉」としてご夫婦で創業したのは昭和50年(1975年)のこと。現在は息子さんが店長を務めます。懐かしい下足箱、番台、脱衣場にはベビーラックを備えたロッカーなど昭和レトロな雰囲気でなんとも言えません。
壁面の見応えがあるタイル絵が素晴らしいのはもちろん、味わいのあるタイル、大きな天窓やガラスブロックなどを使った明るいお風呂の設えが本当に魅力的。
暗くなる時間帯まで照明を付けなくてもいいくらい明るいそうです。お風呂には深い浴槽、浅い浴槽、電気風呂、ジェットバスのみ。
昨年2021年の12月頃までは廃材などを利用した薪でお風呂を焚いていたそうです。今は重油でお風呂を沸かしています。
全国的にも廃業される銭湯が増えている今日この頃、「大和温泉」がある生野区だけでもかつては80軒くらいあったという銭湯が現在では33軒ほどになってしまったそうです。
「大和温泉」も一度は廃業を考えられたそうですが、足繁く通う地元の常連さんや、ご家族が大好きな銭湯が続くようにもうひと踏ん張りすることになりました。
2022年3月7日(月)から29日(火)は休業とし、約一カ月かけてボイラーの取替工事と合わせて、浴槽内の一部タイルとシャワーとカラン、鏡、照明などの入れ替えが行われるとのことです。
レトロで味わい深い雰囲気は残しつつ、使い勝手がよくなるように改装工事が進められました。長らくの休業を終えて2022年3月30日(水)にリニューアルオープンを迎えます。少し印象が変わる部分もありますが、壁面のタイル絵はそのまま残りますので、改装後も「ゆとのと」の主人公になった気分でお風呂に浸かってタイルに描かれた景色を楽しむことができますよ。
実際にお風呂に入らせていただきましたが、やっぱり家のお風呂とは一味違うと思いました。大きな湯舟の銭湯だと温浴効果も高く、身体の芯から温まるようです。古き良き銭湯の面影を今に伝える「大和温泉」は「ゆとのと」を読まれた方にはもちろん、読んでいない方にもお薦めしたくなるお風呂屋さんです。一度「大和温泉」へ足を運ぶと、きっとリピートしたくなりますよ。少し遠くても通いたくなる「大和温泉」の魅力をご自身の目で見つけてみてはいかがでしょうか? リニューアルオープン後の雰囲気もまた別の記事でまとめたいと思います。